2012年7月 2日 (月)

♪骸骨ビルの庭(上)(下)♪

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宮本 輝 (著)    (講談社文庫)

おはなしは・・・
平成6年2月、47歳の八木沢省三郎は東京の大手家電メーカーを退職し、第二の人生を模索する一歩として不動産仲介業のアオヤマ・エンヴァイロメントに就職。初めての仕事は、大阪の十三の通称「骸骨ビル」に常駐し、現在住んでいる住人を立ち退かせるというものだった。
骸骨ビルは昭和16年に建てられ、戦後GHQの接収の後、建主の妾の息子として生まれ認知された息子である阿部轍正のものとなった。しかし戦地から戻った阿部轍正を待っていたのは「骸骨ビル」に住み着いていた戦争孤児たち。阿部轍正と、その友人の茂木泰造は孤児たちを見放さず育てあげたのだった。しかし、このビルが阿部轍正の手に渡ったことに恨みを持った建主の甥の策略によってビルを手放さなくてはならなくなった。阿部轍正はその策略の渦中に死んでしまい、残された茂木泰造と子供たちは失意のうちに亡くなった阿部轍正の名誉が回復されれば立ち去るといってビルに居座っているのだった。
八木沢はちょっと風変わりな彼らと交流し話を聞くうちに人の魂・・・より深い魂・・・というものに思いを馳せるようになる・・

若い男性が縁もゆかりも無い子供を育てるというのは生半可な気持ちでは出来ない。それをやってのけた阿部轍正と茂木泰造の心情はどのようなものだったのでしょう。
親の心子知らずとよく言いますが、この「骸骨ビル」に残る孤児たちはこの育ての親の二人の気持ちをちゃんと受け止めていたのでしょうか。
受け止めていたようでも、更にもっと深いものがあると言う事を、彼らは八木沢に過去の出来事を語ることによって気付かされていきます。
私自身も「ああ、人の愛情ってこんなにも深いんだな」と改めて気付かされました。

こういう事に気付いて生きるのとそうでないのとでは人の幸福度は違ってくるのでしょうね。

本のページが残り少なくなってもなかなかラストが見えてこなくて・・・結局、ちょっと不満が残ってしまったのですが、やはりいい本だったなと感じた次第であります。

あと、美味しそうなお料理のお話も多くてとってもお腹が空いてしまう本でもありました(*^¬^*)

全然関係ないんだけど、今日から計画停電のスケジュールが組まれています。

大丈夫だろうけどちょっと憂鬱です(--;

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2012年6月28日 (木)

♪猫鳴り♪

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沼田 まほかる (著),   双葉文庫

おはなしは・・・ 
結婚一七年目にしてやっと宿した命を喪った藤治と信枝の元に迷い込んできた仔猫。失った子供への気持ちの整理がつかない伸江はその思いに繋がるものを忌み嫌い、仔猫を捨ててしまう。しかし仔猫は何度捨てられても再び伸江夫婦の家に戻ってきてしまう。傷ついた伸江の心を慮る藤治は伸江が仔猫を捨てることに反論はしなかったのだが・・・。

思春期の闇にとらわれた少年が仔猫と出会い・・・。

妻に先立たれた老人は愛猫の最期を見守ることで自分の死を受け入れていく・・・。

1匹の猫にまつわる3篇のお話です。

最初のお話は痛くて痛くて、辛くて辛くて。
抱え込んでしまった「心の闇」。逃れられない「恐怖」。
人の心の隙間に入り込んでくるそんな邪悪な心理。
邪悪なものに埋められた心の隙間にスルリと入り込んでくるのが1匹の猫。
その猫によって邪悪なものが少しずつ溶解されていくのです。

触れ合うことで、守ることで、与えた愛情に対して応えてくれる、そんな存在がいるってことが幸せなんだな~。
それはペットでなくても花だったり、もちろん子供だったりするんじゃないのかな?

ちょっと暗いけど優しい気持ちになれるお話でした。

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2012年6月14日 (木)

♪カラスの親指♪

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道尾 秀介 (著) 講談社文庫

道尾 秀介さんだし、このタイトルだしきっとホラーだろうなと思ってました。でも違った。

おはなしは・・・
ヤミ金に手を出し、その結果、娘と妻を死に追いやってしまった中年男性タケさん、そしてテツさんの二人組。今は詐欺を生業として生きている。そんな二人はある日スリの少女を助け、その流れで同居することに。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らは大計画を企てた。

この人って昨年、直木賞を取ったんですよね。「月と蟹 」で。
前に読んだ「向日葵の咲かない夏」 は面白かったけど奇妙で不思議なお話で、どっちかと言うと子供向けっぽい感じがしたので直木賞とは結びつかずにいました。
で、今回の本はそれ以前に直木賞にノミネートされていた作品と言う事で興味がありました。

題名の「カラス」とは詐欺師のこと。親指ってのは「父親」ってこと。
借金のせいで家族を失った詐欺師たちがその復讐と保身のために大きな計画を企てるというのが大筋です。
登場人物の哀しい過去に涙し、悪徳な金貸しの恐怖に慄き、ちっぽけな詐欺師たちを思わず応援してしまいます。

全体にユーモアが散りばめられていてドンドン読み進められ、ラストはドキドキハラハラで、最後の最後に「あら~?!!!!」
ここのとこ、大どんでん返しのある本ばかり読んでる気がします。
今の流れなのでしょうか。
そのどんでん返しが成立するための伏線がいたるところ隠されていたことに「騙された~」とか「なるほどね~」とか、読み終わったあとも楽しめるってのも嬉しいですよね。

この方、書くほどに面白くなってるんじゃないでしょうか。私が生意気に言う事ではないですが(^^;
ちょっと注目したいです。

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2012年5月28日 (月)

♪完全なる首長竜の日♪

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乾 緑郎 (著)   宝島社文庫
第9回(2010年) 『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品
賞取りものに弱いです(^^;

おはなしは・・・
植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。
少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。
「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。
弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。

ミステリーっていうよりSFとかホラーっぽい。
学識のある人なら「バナナフィッシュ」「胡蝶の夢」「ニック・ボストロム」とかってのがお話の中に出てきた時点で、だいたい筋は読めるみたいですけど私は解らない(ーー;
筒井康孝さんの「パプリカ」とか映画の「インセプション」とかって言ってもらえたら解るんだけど(^^;
まっ、夢と現実の区別がつかなくなるってお話ですね。

植物状態の人との会話。
どうだろう、したいと思うかな~。
もし出来るのであれば本人に生き続けたいって意思があるかどうかを確認してあげる為に使えばいいかなと思ったりしますね。

お話はあまり好きにはなれなかったけど、でもドンドン読み進めたので、やっぱ評価せざるを得ないかなと。
読ませるってテクニックを持ってる作家さんだと思うので変に捻くり回したお話じゃないのを書いて欲しいかもと思いました。←なんて上から目線 Σ(~∀~||;) 

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2012年5月24日 (木)

♪1Q84♪

1q84

村上 春樹 (著)   新潮文庫

村上 春樹氏の久々の長編小説であり、事前に全く内容を明かされなかったという事も手伝ってかなり話題になった本ですね。

おはなしは・・・
1984年。
スポーツインストラクターである青豆(30歳女性)は暗殺者というもう一つの顔を持っていた。相手はDVの加害者。
一方、予備校の数学教師をしている天吾(30歳男性)は物書き志望で小説を書いたりしている。才能はあるがまだ実力を発揮するまでには至っていない。
青豆は幼い頃、両親が熱心な宗教団体の信者であったがため社会からの孤立を余儀なくされていた。そして天吾には母親がいなかったが育ててくれた父親に対して不信感を抱き続けていた。

ある日、青豆は依頼主から「さきがけ」という宗教団体のリーダーの殺害を依頼される。
そして、天吾は”ふかえり”という少女の書いた小説の書きなおしを依頼される。”ふかえり”は「さきがけ」から逃げ出してきた少女だった。
「さきがけ」と関わり合うこととなった青豆と天吾は知らぬ間に今までとは違う世界に足を踏み入れてしまっていた・・

いつもの「村上ワールド」
不思議いっぱいのお話です。
村上ファンなら大喜びなんじゃないかな?

1Q84とは青豆がある日「今自分がいる世界が昨日までの世界とは違っている」ことに気付き、新たな世界に付けた名前です。
イメージ的には宗教団体の核なる者に歪められた世界。
もし、ある日突然、自分の知る世界がまるごと変わってしまったら・・・その新しい世界に反発しちゃう?
でもその事に気付かずにそれが当たり前だと思ってしまったら?
その新しい世界では前の世界では犯罪だったのに、それがが善行だとされていたら?

多分、オウムの事件が土台になってるんじゃないかな?
他にも独裁主義者とかがいる国とか・・・
そういうモノの中では人は人で無くなってしまうのかもしれない。
別の世界に巻き込まれたという事に気付きもせずに殺人すら善行だと思ってしまう。

1Q84年はとっても恐ろしい世界。
でも最後はほんの少し明るい未来が予感できて、というか、そういう未来を祈らせてくれるラストになってます。

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2012年4月25日 (水)

♪愛しの座敷わらし 上 下♪

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荻原 浩 (著)  (朝日文庫)

これ、映画化されてますよね。
たぶん映画は観ないだろうなと思ったので原作を・・・。

おはなしは・・・
食品メーカーに勤める一家の主・晃一の左遷で東北の片田舎に引っ越した高橋一家。家に居場所のない夫、不平ばかりもらす妻、いじめにあっていた娘、気弱な息子、認知症の気配がある祖母……お互いを思う気持ちはあっても、すれ違いばかりでバラバラだった家族が、引っ越し先の古民家に棲みついていた「座敷わらし」との出会いをきっかけに、その絆を取り戻してゆく、心温まる希望と再生の物語。

座敷わらしが可愛い~。こんな子が家にいたら嬉しいな。
と座敷わらしをペットのように言ってしまいましたが、この本では座敷わらしの由縁が述べられていて、それがとっても悲しい。
口減らしのために間引きされた子供を神様が「もう苦労はするなよ」と福をもたらす力を備えてこの世に帰す。その子が座敷わらし・・・。
それを考えると自分の抱える問題なんてちっぽけだなと思えてしまう。
誰もが人には解らない傷を持ってたりします。色んな物の重しに耐えきれなくなってたり。
何とかしたいと思いながら、結局は見ないふり、気付かないふりをしてしまう。
それが座敷わらしとの出会いで家族がいるという”ささやかな幸せ”がいかに大切かということに気付かされていきます。

こういう古民家での暮らしも憧れますね。
囲炉裏があって広大な敷地があって。
いつかそういう生活が出来たらいいなと思ってしまいました。(今はやはり便利さを考えてしまいますが・・・)

荻原さんらしいユーモアたっぷり、とっても温かくて優しいお話です。

ラストのラストが好き。
こういう終わり方をするお話が一番好き(^-^)ノ

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2012年4月20日 (金)

♪狐火の家♪

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貴志 祐介 (著)   (角川文庫)

今シーズンから始まったドラマ「鍵のかかった部屋」の原作です。

あらすじ・・・
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが…(「狐火の家」)。表題作ほか『黒い牙』『盤端の迷宮』『犬のみぞ知る』の計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む。

これ、防犯コンサルタント榎本と、美人弁護士・純子のお話の第2弾なのだそうです。
まぁ、短編だし、どっちが先でも問題は無いと思います。

ちょっと怖い題名だし、貴志 祐介さんだし、「黒い家」みたいなホラー系?のお話かと思いきや・・・
出来そうでちょっと抜けてる弁護士・純子と出来無さそうで冴えてる泥棒もどきの榎本との掛けあいが楽しいお話でした。

ただ榎本の人物像がイマイチ見えてこないのが残念だったかも。
とっても興味深い人物設定なのに小柄だとか若く見える30代だとかっていう外見しか解らなくて。
もう少し性格だとか私生活が垣間見えてもいいのかなと思ったりしました。
ドラマではジャニーズの「嵐」の大野智さんが演じるらしいのですが、どんな榎本を演じてくれるのでしょう。
恐らく私はドラマは見ないと思いますが(^^;

鍵と言えば・・・
先日、車のキーを失くしてしまい「鍵屋」さんのお世話になりました。
鍵を全て付け変えるのかと思いきや、スペアーキーが出来あがってしまって「へぇ~~~!!!」
有難かったけどちょっと怖かったです(#><)

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2012年3月26日 (月)

♪東京バンドワゴン♪

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小路 幸也 (著)   (集英社文庫)

こういう下町のハートウォーミング系のお話って大好きなんです。
ほっこりしますでしょ~。

おはなしは・・・
東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。3代目店主の祖父勘一を筆頭にその息子で60歳ながら金髪のロックンローラー我南人(がなと)、我南人の3人の子供たち、長女の藍子、長男の紺、次男の青。さらにシングルマザーの藍子の小学6年生になる一人娘花陽、紺の妻の亜美と小学4年生となる息子の研人。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日々新たな事件が巻き起こる。今日は一体何が始まることやら・・・

このお話の語り手は今は亡き勘一の妻のサチさん。何故かこの世に留まってこの家族を見守ってます。
なので読者はサチさんと一緒に愛情を持ってこの家族を見守ることとなります。

我南人の口癖「LOVEだね~」
で解るように家族もご近所の方も「思いやり」に溢れててとても温かいんです。
色んな事件が起きるのですがそれも思いやりや愛で問題解決。
読んでるだけで癒されます。

こないだニュースで言ってましたが今や一家族2人の時代なのだそうですね。
そんな時代に四世代8人の大家族。
羨ましいと感じるか煩わしいと感じるか。
わたしは「煩わしい」と感じるのですが、こういう生活が苦にならない人を「羨ましい」と感じるのです。
家族の気持ちを「干渉」と感じるか「愛」と感じるかの違いかもしれません。

全体が軽いミステリー仕立てになっているのでダラダラ感もなく面白く読めました。

シリーズ化されているらしいので続編もぜひ読んでみたいなと思います。

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2012年3月 8日 (木)

♪廃墟に乞う♪

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佐々木 譲(著) 文春文庫
第142回(平成21年度下半期) 直木賞受賞

連作短編集で
「オージー好みの村」
「廃墟に乞う」
「兄の想い」
「消えた娘」
「博労沢の殺人」
「復帰する朝」
の6編で構成されています。

おはなしは・・・
道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに心神喪失に陥り療養中の身。だが回復途上の仙道に、次々とやっかいな相談事が舞い込むんです。
休職中だから自由に動ける。組織に縛られることなく、それでいて「刑事だ」と言えばそれなりに優遇される。ちょっと不思議な立場から事件を解決へと導きます。そう、あくまでも導くのです。決して出しゃばらない。管轄の刑事にそれとなくヒントを与える。あとは任せてしまう。決して手柄を自分のものにしようとはしない。水戸黄門みたいに「どうだ!」って顔は絶対にしない。そこがカッコ良かったりします。

舞台はニセコだったり夕張だったり日高だったりローカル色たっぷりで知られざる北海道を満喫することも出来ます。
短編なので一つ一つのお話は小じんまりとしてしまいますが、それなりに楽しめました。

こないだ警察の連携の悪さで事件を未然に防ぐことが出来なかったってのがありましたね。
こういう動きが出来る人がいたら良かったのにな~。 

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2012年2月27日 (月)

♪葉桜の季節に君を想うということ♪

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歌野 晶午 (著)   文春文庫

2004年板このミスで1位、2003文春ベスト10で2位を獲得した作品です。

おはなしは・・・
いつものようにフィットネスクラブで汗を流していた成瀬将虎は、ある日後輩のキヨシから、彼が密かに想いを寄せる愛子の相談に乗ってほしいと頼まれる。
久高愛子は、轢き逃げに遭い亡くなった身内が悪徳商法業者・蓬莱倶楽部によって保険金詐欺に巻き込まれていた証拠を掴んで欲しい、家柄の手前警察には相談しにくいと依頼してきた。「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・将虎は蓬莱倶楽部を調査することに。
同じ時期、将虎は地下鉄に飛び込もうとした麻宮さくらという女性を助ける。それがきっかけとなり、以後何度かデートを重ねる仲になる。
将虎の恋の行方と、保険金詐欺事件の真相究明、2つの出来事が交錯する。

題名からして爽やか系、癒し系かと想像してたのに、最初っから全く違うイメージで「あれれ???」
この将虎。定職には就かずある時は警備員、またある時はパソコンのインストラクター、またある時は映画のエキストラとニート的生活を送ってはいるのですが朝型で毎日のフィットネスは欠かさず健康的な自由人。兄貴肌で行動的でなかなかカッコいいのです。身の危険も顧みずに侵入調査する将虎は20歳の頃に探偵としてヤクザになりすまし暴力団の一員になった経験もあり根性の座り方が違うのです。

素人探偵の危なっかしい捜査にハラハラドキドキしながら読み進めます。

しかし悪徳商法って減らないですね。人の弱みに付け込むんですね。こういうのに一番引っかからないのは大阪人だと聞きました。何が違うんだろう?

と普通ならこの程度で感想は終わるのですが・・・
このお話はラストで大どんでん返し!!!
「ええぇぇぇぇ~~~~?????????????????????????????」
今までのイメージが急に全てくすんで見えてきて・・・それを確かめたくて最初から読みなおそうかなと思ったりして。
兎に角ビックリです。
でも最後の最後にまた晴れた明るい光に包まれた爽やかな気分に戻ります。この本のタイトルの意味も納得。

普通のハードボイルド系ミステリーとして楽しめ、恋愛小説としても楽しめ、反則技ミステリーで驚愕し、自分の将来について少し考えさせられたりもして。
読みごたえのある一冊でした。

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